積み上げ遊び/AKiHiCo
 
寡黙に積み上げては自分でまた崩す
終わらない宙の遊び
誰も相手のいない独りの世界
肉体の内側で確か創り上げた硝子の街
そこで永遠に暮らしたくて
また人差し指で弾いて積み上げ直す

手錠で僕とあの人を繋いで
鎖がいくら長くとも構わない
最期に辿り着く処が
あの人のいる世界ならば
ここは寂れた罅だらけの硝子の街

自分で積み上げては崩す
終わらない終われない偽り遊び
永遠に続く続く

見上げれば欠けた月
腕を伸ばしても摑めはしない
まるであの人のようで
あの人と繋げて手首に標を

一体誰なのか何て構わない
あの人はあの人で僕は僕ではない
狭いのか広いのか測れない世界の中心で
積み上げては自分でまた崩す
また動き出す無の遊び

指を絡められる日に憧れ
繋がれる事を望む心で
積み上げては自分でまた崩す
拾い上げた石は冷たくて

あの人は誰なのか
本当は何も知らないけれど
この手首に誓いの標を



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