窓/アンテ
 
耳の後ろのあたりが熱くなった

すっかり乾いたカーテンは
季節の香りがした
慎重に椅子に乗って
レールに取り付ける間
向かいのユミちゃんが
柵にもたれて
じっとこっちを見ていた
汚れた窓ガラス越しに
手を振ると
恥ずかしそうに家に入ってしまった
カーテンを付け終えて
部屋をぐるりと見回すと
どこかがなにか違っていて
とりあえず
お茶を入れてから考えよう
ぱちんと手を鳴らすと
気持ちが落ち着いた



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