詩の携帯性/佐々宝砂
 
クトな・携帯性のある・物語が好きなのだ。ショートショートも超短編も好きだが、俳句ほど短い物語はない。Tシャツに書けるのはもちろんだし、記憶してとっとくこともできる。記憶なら一生持ち歩ける。若い頃に覚えたなら、呆けたって忘れないでいられる。

私にとって詩とは、持ち運び可能な物語、なのだ。あなたにとっての詩がそうじゃないのは当然だ。私みたいに考えて詩を書く人はあんまりいない。全然いないとは言わないけど。

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で、問題は、これから私はどうするか、なのだった。いまや映画だって持ち歩ける時代である。RPGという物語も持ち歩ける。はてさて、こんな時代に、私の考える詩の特異性=携帯性をどこまで活用できるか? という文章を携帯して携帯で読んでる人もいるんだよなあ、今っていう時代は。

「詩人類 T-shouts!」 http://tshouts.exblog.jp/
 は、詩の携帯性を活用したひとつの解答ではある。

2006.9.20(初出ミクシイ)
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