憂。キミと私/AKiHiCo
ソファに横たえた白い身体は
あまりにも細いので
私はキミを抱き締めたくなる
それはただキミの体温が欲しいから
私の体温を伝えたいだけの
言い訳なのですけどね
どこを見つめているのでしょうか
焦点の合わない緑柱石の瞳
そこに私は映っているのですか
たまに折れそうな指を軽く曲げる仕草
私はキミのそんな姿が好きで
いつかはその指に白金の環を嵌めたいと
そんな事を思うのですよ
気付いてもらえなくともいいのです
伝えるつもりもありません
この気持ちを言葉にしてしまえば
今の生活は終わってしまうでしょう
そんな気がして私は怖いのです
キミに拒まれてしまう事が
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