落葉/佩慈の工人
緑が風に揺れないでいる辺りを狙っても、届かないと思う石の重さが道の端からはずれ、影にしかならないコンクリートのはりつく斜面まで垂れ下がる枝の乾きかたを確かめながら削れた指先をしゃぶっては、ひそひそと通う方角へ渡っていく雲を見ている。きしきしと同じ形に並び続ける草の下の石だけを頼りに歩く、土色の水溜りを目指している午後に、色の変わった葉の重さで腕がしびれ、遠い木の形につかんで破られた鳥の群れが泥遊びもできない原っぱのなかに薄れ、黄色い線がかみ合わなかったカーブの大きな破片を拾って電線の震えを止めようとしていた音が鳴りはじめた。
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