風鳴りの暮れに/秋月 笑
年の瀬は嵐のごとく
みるみるスピードをあげて
通り過ぎようとしています
ごう と鳴る風の中
あまり高くない太陽のそばを
うすっぺらい雪待ち雲が
幾度かゆき過ぎて
まるで
コーヒーにとける
クリームのようなかたちになった時
――あなたの肩越しに
枯れ葉は何度も踊りました
あなたの唇のさきで
冬がどんどん積もりました
まるで
時間がとまってしまった二人の頭上を
いま まさに
平成十九年は通り過ぎているのです
さようなら
ほら、
もう背中が見えましたよ
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