「ブラウン管の向こうから」/PULL.
 
「さて、続きましては、愛らしいタマちゃんの映像です。癒されますねぇ〜」

耳を澄ませば、ブラウン管の向こうから阿呆の呼び声が聞こえる。

死体を売りさばいて国を作ろう!。
奴らに出来るのなら、俺達にだって出来るはずさ。
おもちゃの軍隊ごっこにはもう飽きたんだよ。
そろそろ実戦をしょうぜ。
石原都知事だって言うはずさ。
「退屈だから戦争がしたい」って。
「太陽の季節」は過ぎ去った。
「狂った果実」は腐っちまった。
あいつに出来るのは、差別を広げて、戦意を煽るだけ。
で、テメエの立場が悪くなったら、こう言ってまた逃げるのさ。
「あれは作家として文学的に言った事で、都知事とし
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