道/渡邊永遠
 
静脈ラインの上を歩いた
道は、疲れ果てていた
厄介なものたちを引き受けさせられた上に
運営するエネルギーもない
ただ、あの場所へと帰ること
静かに、帰ること
立ち止まりたくなるときもあるが後から後から、背中を押される
その力には勝てずUターンは許されない

はあ。

溜息をつきたくなる頃
あの場所が見えてくる

あの場所はいつも
活気があってみんなが跳びはねていて
情熱の炎が燃えている


この場所にたどり着き
厄介なものたちを引き払い
エネルギーと交換をする

不完全燃焼だった気持ちが
一気に爆発して
赤々と燃える情熱の塊となる

さっきまでのマイナス思考は
ここでいつも終わりだ

また、長い旅が始まる

僕らは
人の一生にちょっと似ているな

道のため息が聞こえる
歩いていた私も
まだまだ先が長いことを知るはずだ

同じ道を巡っても
背負わされるものも
通過していく検問の厳しさも
毎度毎度違うけれど

あの場所があるから
救われるのだ


(君はいままだ、どの辺りにいるのかな)
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