64、橋 【はし】/
雨宮 之人
深い谷に橋を架けよう
向こう側へ行く 旅人のため
大きな川に橋を架けよう
渡し守が 今以上傷付かないように
こちら側と向こう側があって
渡るための橋が架かる
どこにも属さないそこは
朝霧に埋もれても、ただ旅人を待っている
こちら側と向こう側があって
思い描いた人は橋を架ける
そうやって世界が、繋がってゆく
渡るための橋を架けよう
深い絶望と孤独を越えて渡る橋を
どこにも属さない 自分だけの場所へと渡る橋を
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