「 ぼくらは毎日こわれてゆく。 」/PULL.
こんなたとえ話から、
はじめてみます。
ぼくは毎日こわれています。
それは、
九十八マイルの速球を投げた、
松坂大輔の肩が、
一球ずつ壊れてゆくように。
またそれは、
鮮やかなエラシコを魅せる、
ロナウジーニョの足が、
一試合ずつ壊れてゆくように。
ぼくは毎日こわれていってます。
テレビに映る彼が、
美しいと口にする度に、
日本がこわれてゆくように。
白いお家の彼が、
平和を口にする度に、
地球がこわれてゆくように。
ぼくは毎日こわれてゆきます。
.
こうしてキーを、
一文字打つ度に、
ぼくの中の言葉は
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