あたしの体は/ごまたれ
 
あたしの体は商品です

なんて
陳腐なことは申しません

シケモクはまずいのです

でも
あの感触は あたしを大人にしてくれるようです


あたしに覆いかぶさる男の人は
いつも雨雲のようでした

夕立のように騒がしくては

足早に去ってゆく

そして遺言のように
お札が置いてあります

肩甲骨が羽のようで好きでした


都会の真ん中で
地面から足が離れなくて立ち尽くしていました

そして唱えるのです


(欲しかったのは。)

(傍に置いておきたかったものは。)

(間違ったところは。)

(どこから始まったのか。)

(夜はもっと優しいはずだったのでは。)


ここでは
映画のように愛を叫ぶことはできないようです



あたしの体は商品です

なんて陳腐なことは申しません


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