時というものは/
ぽえむ君
時というものは
幸福な思い出を
少しずつ削りながら
現実を幻へと変えてゆく
時というものは
不幸な思い出を
わずかずつ慰めながら
現実を夢へと変えてゆく
時というものは
人との出会いをもたらせ
その触れ合いは
今という存在があることを
確かめさせる
時というものは
人との別れを惜しませその離れ合いは
過去という存在があったことを
思い出させる
未来は夢と幻と現実とが
時の中で複雑に絡み合いながら
動いてゆく
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