訣別/信天翁
 
こうもり傘へ秒刻のようにおちてくる雨のなか
    わくら葉を踏み踏みアベニューを歩く
   十メートル近い木々の幹は雨路をつくり
        なんと そこでながしている
         わたしに滞っているものや
 わたしのほころびているものを ほそぼそと
           そうだ きっとそうだ
      ウラノスとポセイドンとが奏でる
            旋律が調和したとき
 そのメロデーのデリカシーに気づくのだろう
              わたしは初めて
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