雪よ 舞え/松本 卓也
灰色を塗りこんだ
空しい心の底に
降れよ 積もれよ
与えてくれた言葉
忘れたわけじゃない
閉ざしていた扉
少しだけ開いてみせたのは
君だったのだから
問うてくれ
責めてくれ
ほんの少しでもいいから
色を塗り替えるきっかけに
戸惑う心を開いて
本気の声を響かせて
偽りでない証を示してくれ
寒さは身を震わせるだけじゃなく
刻んだ言葉の溝を埋めるものだから
中途半端な温度で狂う風に
君と言う意味を与えてくれれば
昨日より確かな生きる価値を
今日に刻む事ができるはず
逃げないで
向かっていって
待つだけが全てじゃない
放った声が切り裂
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