こいぬ/印刷屋
 
私はこいぬにサワレナイ

こいぬはある日詩集に収められ
翌日は小説の頁の間にはさまっていた

こいぬはどこへでも出かけてゆき
街ではスピーカーから聞こえてきた

カメラを覗くと
かならずみえる

どこにでもいて
それでいて尻尾もツカメナイ

舌を出してワラッテイルのだね
「私の」こいぬ

ピアノを弾く もつれそうな指の動きの蔭で
兄弟たちとジャレテイルね

こいぬ こいぬこいぬ
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