矛盾色色羽根屋敷/AKiHiCo
コバルトに染まる世界の
中心を求めて何も映さなくなった眼で
探し出そうと手探りに歩く
けれど危うい足許では
どこがどこのなのか判らなくて
この眼を摺り抜けて直に刺激する
体躯を走るは深い蒼の音
過去の傷痕をなぞる痛さよ
どちらが天か地か
そんな事はどうでもよくなって
ただ美しいままで呼吸をやめたい
散り行く花弁の渦の中で
響くはトッカータ
心に灯るはプロキオンの閃き
僕は生きる程に何かを失ってゆく
大切な名前もいつかは忘れてしまう
きっと、
空になった心の底に溜まるは
いつかの願い事
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