青色音/
なかがわひろか
あの曲が青色に聴こえた
今まで曖昧なオレンジ色だったのが
急に冷たく
研ぎ澄まされた
音に変わった
彼女は夕暮れ道を歩きながら
緑色の影を引き連れた
散歩代わりにいつも歩くの
そう言って
軽く笑った
灰色の眠り薬
チーズ色の甘い夢
どす黒く濁った
愛しき色した血
青いメロディーは
いつまでも鳴り響く
微かに耳を澄まして
上り詰めたような
息苦しい音が
頭を鳴らす
(「青色音」)
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