俺と鳥/緑茶塵
鳥を姪に返そうと思う。
昨日から預かっているのだが、どうにも相性が悪いので、鳥を姪に返そうと思う。
今日は休日だから、兄の家には誰かしらいるはずだった。
今朝の曇り方は酷い有様で、空全体が何かを蔑んでいるのかと考える。
空ごときに蔑まされる対象が、該当するならするで嫌な気分だが雨さえ降らなければどうでもいい事でもあるような気がした。雨が降り出した場合鳥かごの鳥は濡れてしまうわけだから、傘かかごを覆うビニールか何か用意すればいいのだが、それも面倒だし何より相性の会わない鳥と大雨の中を歩くというのは想像の中ですら酷く気分を害するこの事なので、現実にそれが起こるとしたら、俺が鳥を目的地に届け
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