似ているもの/吉田ぐんじょう
 

何かを思い出しながら


・love(愛)とrib(肋骨)

神様は男の肋骨から女を造った
とか一部で言われているのは
非常にセンセーショナルなことであると思う
男の人は自分の肋骨を愛するのだ
自分の肋骨とクリスマスを過ごしたいと思い
自分の肋骨からチョコレートを貰い
自分の肋骨に指輪をはめる
改めて考えると
とても不思議なことのように思える

では女の人の肋骨は
何になったんだろう
肋骨の肋骨
そして
その法則が成り立つならば
女の人の肋骨からは
また何かが派生するはずだ
肋骨の肋骨の肋骨の
肋骨の肋骨の肋骨の肋骨

若しかしたら
そうして宇宙というのは
出来上がってゆくのかもしれない
と嘯いて
煙草を一本吸ってから携帯電話を開いた
夜中の部屋に光る液晶は
どこへでも行けるが
決して通り抜けられない窓
のようにも見える

そういえば携帯電話は肋骨に似ている


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