古代/印刷屋
 
投擲の技法は きしきし軋る
扉を開け放ち 敷居を踏み越える
その一歩の向こうに 何かの存在を
期待 期待――淡い――気体の
薄まりゆく 酸素の海の浸透圧を
白砂のビーチへ 辿る雪道
帰り途

上空より飛翔しつつ硬化せよ
10円玉の裏には 酸の流れ路
潮風のしょっぱさに 目を痛めながら
それでも 力強い腕がぼくを
掴み上げ放り投げる
夜空へと スプートニク
無限遠点へ

はるけき地平線の 彼方より
陸津波 押し寄せて
峨々たる荒地から 噴出する鉄砲水
轟然たり 森閑たり 地の鎮め
沈下しつつ ただ安らかに
眠れブーメランをもつ腕よ 根を養い
生やせ森を
戻る   Point(4)