僕のサンタ/1486 106
僕ん家の家計は火の車で
ランドセルはお姉ちゃんのおさがり
小学校では心無い同級生に
赤い色が女の子っぽいと笑われた
そのたび僕は文句を言って
仕事帰りのパパを困らせたけど
ごめんねと優しく頭を撫でるから
大粒の涙が零れてきたんだ
きっとパパは職場でも
偉い人達に頭を下げて
それでも僕達家族のために
汗水垂らして働いているんだろう
「ネクタイとても似合っているよ」
僕ん家の家計は火の車で
ママの帰りはいつも夜中
授業参観の日も仕事で
みんなから可哀想な目で見られた
そのたび僕は我儘を言って
仕事へ行くママを困
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