聖夜の奇跡/逢坂桜
 
度殺されたって天罰なだけのあの男が。
  あんな―

  その後、あたしは逃げた。
  つかまりはしなかったけど、逃げ続けた。
  風の噂で、事故で死んだことを聴いた。
  だが、現実でも、夢の中でも、逃げ続けた。
  
  あれはやはり、奇跡だったのだ。
  神様がたったひとつだけあたえた、あたしへの、奇跡。

  そう思えてならない夜が、またやってくる。

   
  
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