悟り/山崎 風雅
 
 瞳と耳を通じて心に映る無限色の光景
 日々厭きることなく続く生命の伝播
 取り越し苦労の多い俺の手には
 細かく繊細な線が縦横無尽に刻まれてる
 今日も刺激の多き日が終わる
 右脳も左脳もきな臭い
 いつ破れるか分からぬ無気味さ
 たった一本立った樹にさえずる小鳥の群れは
 樹の想いを知らぬ
 ふらふらイルミネーションの街を漂う
 10年後のことを予想してみる
 10年後もここで世の中を斜めに見て
 コーヒーと煙草を友達に
 造花のような希望の詩を書いているのだろうか
 滑稽な人生、それも悪くない
 弱さ故に人を求め
 弱さ故に人を裁き
 そんなこと
 そんな
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