そう/
なかやまそう
ぼくの犬の落書きや
苦手だった「の」の字や
母親の似顔絵や
読書感想文やらが
ぐちゃぐちゃに
丸まって
ぽとりぽとりと
靴の上に
落ちてくる
丁寧にひろげた
丸まった
色とりどりの
くしゃくしゃの
チラシのようなモノは
ひとつひとつ
静かに手のひらから
消えていき
ぼくの脳は
そうやって
大切な過去を
忘れていく
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