転がるビー玉/なかがわひろか
あなたの美し目の玉は
まるでブルーのビー玉のよう
指でビンとはじき飛ばし
コロコロコロコロ転げてく
そのまま地面に落ちました
真っ逆さまに落ちました
けれどまだまだ転げてく
コロコロコロコロ転げてく
やがて屍に辿り着く
青い色したビー玉は
自分の行く末を探し回る
グルグルグルグル探し回る
人より少し大きめの
美人サイズのビー玉は
その屍に落ち着いた
ギョロっと目を剥き
じっとじっと空を見つめる
見つめられた太陽は
少し赤らんだ顔で照れ出す
目を焦がすように燃えるのは
照れの裏返しだとも言うように
大した魅力もないからと
飽き飽きしてきたビー玉は
さよなら告げてまた転がる
コロコロコロコロ転げてく
どこどこ行くのさ誰も知らん
(「転がるビー玉」)
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