終わる世界/キメラ
日没に抱擁の石
喉に付き突け
思慕揺らぎて白い刻に寄せる
見知らぬヴィオロンよ
どんなに多くの遠い都会で
貴様の孤独な夜が私の夜に歎いただろう
堕弱な人生の一時的な季節
暗雲に覆われた虚下
永刻の哀苦を終業為ようとも
幾億ものバランス形成上
唯一の歯車を廻せ
残酷なもの美しい統合
否
或らゆる形象は浅く
全ては変わり逝く永劫の嘆きだ
消えろ
ふとデジャブの様に神経を逆撫でる折
確実に貴様に忍び寄るおおきなモノ
存在の証明より深く重く
時に怖く
赫い血管の上の恐ろしく透明な掌に
幾つもの青い灯ゆらゆらと
魂の赫い呵責
鳥居を潜り透明の微在に帰化する
やがて
闇の中繰り返す美麗な水車に涙昇し
逝き場を求める惰輪の中よろめき
幾千の光の貫光
恍惚に身を焼かれ
濃霧の先 薄青の海岸を観た
それは虚空に融け天は怒濤に切裂し
黒深きノイズ紅い焔の燃ゆる音
燐々と
白岩一羽の鶴は嘴を天に向け叫ぶ
歪空が泣いた
切間から澱血
世界よさよなら
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