たなびいて/
霜天
たなびいていく
たなびいていく
淡紅色の欠片の群れが
空に向かってたなびいていく
たなびいていく
たなびいていく
思い出色の校門に
長いあなたの黒髪が
空に向かってたなびいていく
たなびいていく
たなびいていく
通りすがった学び舎に
作りかけだった恋の色
空に向かってたなびいていく
たなびいて
たなびいて
千切れて見えなくなるほどに
たなびいて
たなびいて
記憶の中の後姿も
南向きの春風に
淡紅色に染められて
空に向かってたなびいて
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