パラダイス/新谷みふゆ
 
眼を閉じると荒れ野を分ける長い道
その道をいつも探してる

きっと其処では贅沢なんてできやしなくて
女達の手もカサカサしているんだろう
手を延ばせば届きそうな太陽が
渦巻いた夢を照らしてる
公平に注がれた光が
とても美いで 嘘に見えた

まるで作り物のようなパラダイス
昔 父や母達と暮らしていた


ゆるい坂道は何処まで続いてるんだろう
その道をいつも探してる

夏の空に 細い指の白い母が
長い髪をあげ 笑ってこっちを見てる
「オマエがいるから生きてゆけるの」
太陽だけ恵まれた土地で・・・
あちこちに夏が光を落とすから
陰なんて知らずにいられた

まるで作り物のようなパラダイス
ずっと昔 其処で生まれ育った

パラダイスで生まれた子供だった
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