アーメン/soft_machine
 
片手間は
グラスの其処で乾いてゆくアルコール
何年も読まれぬまま色褪せてゆく頁
冷え切った夜のベッドで
互いの距離を見張り合うしかないふたりも
クリスマスのざわめきに
ひっそりと
聞き耳をたてるホームレスも
かじかむ夜に段ボールで立ち向かったベンチの先端で
絶望に目隠しをされたまま匂いで探るように
思い出すと繰り返す
雨の日になくした靴下が
見つかりますようにアーメン
風が吹いても狼煙が真直ぐしていても
一歩踏みだす度に行方がわからなくなって
嘘だと言われても
信じなければならないだろうし
花は花びらと成れば花として咲くのでは
ない。ならば
皆が自由に国境を掴めるようにアーメン
ことばもやがて不思議な結晶をするだろう
父親がかーさんを叩かない日がくれば
子供達には祝福だけを求め
ただ降り積む

アーメン

 あした、晴れますように





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