ブルー トワイライト/ススメ
足首も弱り
立てなくなって
車椅子のベランダから
シーツの海を漂っていた
頭を動かすと
風が吹きぬけ
取り留めの無いことを
空に飛ばしていく
脳に残った歌詞が
震えとなって体を暖め
私の唇を乾かした
それは
ベランダが歌を溶かして
耳元に魚を泳がせ
ほのかな虹に左手をあずけるような
それは
隣の瞳を潤ませ
胸の鼓動を悲しませ
泣きじゃくる脈拍を包むように
それは
ほんとうに取り留めのないことで
私達の会話は
沈む青空の中
いつまでも
茜色に輝いていた
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