三つの詩について(2)ー「そんな毎日」・「遠雷」・「靴下売りと指人形」/生田 稔
 
を書かれた、この詩もちょっとそんなところがある、ただ西脇氏は難しい言葉を連ねて読者を幻惑するところがあり、それが難点と言えば言える。この作品は難語を連ねるという事はなく、遠雷と言うテーマを最後に明かしてちょっとすきっとさせてくれるのがいい。

遠雷がひとつ

つもりはなくても聞いてしまう
拒むつもりもないけれど
それゆえ距離が
気にかかる    こう言ってくれるのが、読者の共感を受け、さわやかに読む人はこの詩を手放すだろう.次作も期待したい。
★靴下売りと指人形
 いい意味でトボケとユウモアーのある作品。詩を作ることに慣れていられる。年末にふさわしいような気のするところもある。靴下売りというあんまりありそうもない行商人を待っていると言うsituationが成功したのであろう。老婆心として申し添えるなら、次作は趣を変えて新しい趣向にされるといい、いい才能を生かされて秀作を物されんことを。

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