おば様と化粧と私/優飛
 
 一人分のスペースに
 あとからあとから
 人が流れ込んできます


 気の弱い私は
【もうこれ以上は入れません】
 と言えないので
 次から次へと
 押し合いへしあい入ってきます


 挙句の果てにはおば様に
【ちょっとアンタどきなさいよ】
 と言われる始末です


 勇気を振り絞っても
【ココは私の場所ですから!】
 とは言えませんでした
 なにしろ気が弱いので


 仕方が無いので
【お邪魔してすみませんでした】
 とおば様に頭を下げ
 その場を後にしました



 振り返ると化粧くずれもなんのその
 おば様があの場所を死守していました
 私もおば様のように強くなりたいと
 心から思いました




 心から思いました
 





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