ガール・レイチェル/かのこ
 
真っ黒なレイチェルの瞳の奥には
何が映されるのだろう

秋の深まる頃だった
色づいた木の葉があふれる坂道で
これからを知らないけれど一歩一歩踏みしめて歩く
腰まで伸びた長い髪を奇矯とも言えるほどに赤く染めて

秋風に冷えた石製のベンチに腰を掛け
古いアコースティックのギターに弦を張り
一人で歌っているのになぜかハーモニーが聞こえる
ああもしかしたら僕は間違えてたのかもって

本当はこれから踏み外す一歩も怖くない
誰かがそばにいてくれたとしても同じ数だけの孤独を
頭の中の鮮やかな赤色を世界に撒き散らして
ここにいて、それだけで歌っているレイチェル

愛してるって誰かが言ってる
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