「 はなみずじゅるるん。 」/PULL.
 






さむい日には、
セーターくんが話し出し、
「ねえねえ。
 はなみずちょーだい。」
「だめ!。」
「ケチ。」




しんぐるべーるしんぐるべーる。
街にはお手てつないだセーターばかり。
じゅるり。

「おれにはいないの?。」
「うるさい!。
 おまえはあたしとひとりだ。
 手編みの刑だ!。」







「おまえがほつれているのは、
 あたしが手を抜いたからさ。」
と、
セーターくんいじめ。

そしたら、
想い出ほつれて、
「まあ、
 そんな日もあるさ。」
と、
セーターくんなぐさめ。




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