異形の詩歴書 高校編その4/佐々宝砂
 
はなく、まあフツーの高校生の文章だったんだと思う。

 Yという友人を得た私は、文芸路線をはずれまくり、オタク路線をまっしぐらに走りつつあった。Yは文章こそ書かなかったけれど絵がうまくて、リクエストするといろいろ描いてくれた。彼女が描いたキース・アニアン(『地球へ……』のキース)の絵を、私はいまだに持っている。文芸部員の小説は小説に見えなかったが、Yの描いたキース・アニアンはちゃんとキース・アニアンに見えた。当時の私にはまだよくわかっていなかったけれど、今思えば、それは重要なことだった。
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