時間がとまる夢/なかやまそう
 
時間がとまる
夢を見た

異様にほそ長い
横断歩道で
信号待ちを
していると
視界の右上が
黒くかすむので
気になって
空を見上げると

だ円が崩れたように
一部そこだけ景色が
黒くやぶれていて
イチョウの葉っぱや
通行人や簡易トイレ
やバリバリのキャリア
ウーマンと呼ばれる
人たちやIT社長や
行楽シーズンを
楽しむ家族らが
すべてそこに
吸い込まれて行く

ぼくもそこに
吸い込まれたいと
思い近寄るのだけれど
その穴からは
ぼくをはじくかの
ような冷たい風が
はきだされ

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