巡礼者/
相馬四弦
森をゆく陰
陽の雨 うたたね 岩棚をすべる水
老樹のうろ 葉に棲む音 午後の胞子
塞がれた兎の穴 雪割草をすすぐ沢
ほとりの鴫 消えない木霊
わけのない過去 はずのない未来
倒木の上に寝そべるとき
ここにある今
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