同じ窓から/Rin K
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来
ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で
教室にいる人数分の隙間を
手をつないで埋めることが
照れくさくて
黒板の落書きを、泣きながら消した
十二月を通りぬければ
約束の春が立ち返る
また会えるという確信が
さようならの重みを
少しだけ削ったのに、不確かな
春がもう耳元で鳴っている
ぼくらはいつも
見ていたんだよ
同じ窓から、広い世界を
ぼくはあの葉のかげに
君はあのつぼみのなかに
ぼくらはいまも
見ているんだね
あの窓から
同じ景色を でもそれは
とめどない流れの中で
ぼくらのいまを
塗り重ねている
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