生と死の狭間で/1486 106
 
「ひとりになりたい」
その言葉は適切じゃない
初めからずっと独りだった

「ひとりは寂しい」
その言葉は適切じゃない
誰かといても満たされはしない

最後のわがまま
悲しみの果てに行き着いた答え

浴室でプラットホームで校舎の屋上で
世界にピリオドを打とうとしていた

「ひとりじゃない」
その言葉は信じられない
誰も向き合ってはくれなかった

「ひとりじゃない」
その言葉は信じられない
誰も本当の気持ちを知らない

最後のわがまま
気付いた時にはもう手遅れ

8.3ミリの剃刀よりも
時速120kmの電車よりも
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