シェリル/白雨パル
シェリル
まぶしいな、区切られない場所は
名前を持つのかどうかも知らないような虫が
指先をつたってきて
それはぼくになにも響かなかったから
そっとしておいた
シェリル
お花畑を走りまわるきみは
つまりお花や虫たちを
笑いながら踏み潰してるわけだから
そんなきみを素敵だなんて思ってしまうとは
ぼくはとてもいけないのかもしれない
でも
すてきっていう語感はなんてすてきなんだろう
この理由なんていらない感じだ
重厚な雲はきらいだな
いかにもという感じがすてきじゃないんだ
虫がぼくの肘のあたりから
飛びたってゆく
シェリルに気をつけろよ
潰されるぜ
シェリル
太陽はゆっくりと
ぼくたちを引きはがしながら
いのちを伝えている
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