囁日/木立 悟
 


涙が涙へ落ち
映る雪は昇る
花はひとつ多く
土に消えずに残る


やわらかに覚める
手の甲ふたつ
波と曇の鳥
鳥に沈む鳥


ひとみしり
とおまわり
道 花 原
ひとつまみ


振ると光る
地と空の線
ああおい ああおい
つつむ よびごえ


曇のひとつぶ
手に葉を描き
伝うより速く
染みこむ音


空あおぐたび
水の歌垣
片目だけの花
くちずさむ朝












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