ぼくらに必要なもの/七尾きよし
 

人間と人間の間で起こりうるものに
無限の可能性 
無限性の可能を感じた
わたしが何者であるかとか
彼女が何者であるとかはそれほど重要ではなくて
彼女との出会いを通して
わたしのなかに新しいいのちが産まれ出るのだ
彼女の身体から蜘蛛の糸のようなか細い
いのちの糸が風に吹かれ、流れ出て
わたしのこころのなかにそっとたどりつき
気づかないうちにひっそりと新しいいのちは産まれでる
くわえて、この道のとおい向こうで
彼女が今を生きていることがいとおしく感じるようになった
それがなんだかうれしい
体温の温かさのある関係 
ぼくらに必要なもの
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