ラブソング/トタンに雨が踊り狂ってしまって/nm6
にするのは浅はかですから とりあえず
ちょっと溶けたいそのときに 痕にころげる夢にします
このまましばらくは 演じさせてあげましょう
ところで
いつかしまいこんだ箱は
開けたとたんに溺れるほどに流れ出す起伏で
平坦な演算と決め込んだ 日々がただれていきます
見渡した鳥が
蟻の位置から 森を仰ぐようになりました
ありがとう と ばかやろう が混ざっていますが
大切にするべくは
味とも匂いともつかない艶めきが乗りかかる部屋に
浮かんだり溶けたり揺らいだりするそれ自体だと思い出します
トタンに踊り狂う雨もやみ 薄っぺらな音楽をかけて
やがてぼくらは日々に帰り ざわめきのひとつひとつを読んで
この手で 明日も変わってゆくことを愛でましょう
ありのままの世界の大きさと つまづき続ける自分とを
まったくたよりない点線でつないで てくてく歩いてゆくのです
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