曇天にただ春を待つ/ウデラコウ
 
その濡れた髪が
乾くまでの
わずかな時間

滴る雫を
眺めながら

あなたへ紡ぐ

奇跡を祈る



あぁきっと


今日も明日も


昨日と同じように



あなたは 嘘を並べて



真実をあの青空の向こうへ隠してしまうのだろう


あたしといえば
大層それを欲しがって



冷たいアスファルトに突っ伏して



どうか其れを頂戴と



虚空にただ 希うのだ



声は届かない
空が道を閉ざしてしまうから

あなたには届かない
虹が全てを曲げてしまうから



回折格子のその中で

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