中身のない焦燥感/渡邊永遠
 

どこまで行けば
あの頃の
私に辿り着けるのか

走っても走っても
曲がり角は見つからず
ただ真っ直ぐに
ただ真っ直ぐに

巡る空の流れに
ただ逆らって
ただ戸惑えば

髪の毛の先っぽも
空を映した瞳のレンズも
あの頃の私がそのままだ

変わってしまったと思ったのは
気付かぬ間に大きくなってしまった私の中の焦燥感

空の色も、この私自身も
思うまま感じるままにたなびいて行けば良いのだ

私は私以外の何者でもないのだから。
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