小願/ウデラコウ
本当に。本当に。…少しでいいから
あなたが抱えているその 大きな大きな ものを
あたしにも 貸してほしいの
あなたが閉じてしまったサキをどうか
あたしに 紡がせてほしいの
ねぇお願いよ。
そんな優しい声で
もうサキが無いなんて
世界で一番寂しい言葉を
呟かないで。
ねぇ、自分でも信じられないくらいに
覚悟がどんどん 大きくなっていくんだよ
この先
あなたといる時間が たとえ
今まで生きてきた時間より
短かったとしても
その残りを
全て
あなたに
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