昨日までの/
霜天
昨日までの花びらが
はらはらと零れていきます
それは通り過ぎていく当たり前ですが
惹き付けられてしまうのです
せめて止まってくれたなら
ふわふわと漂ってくれたなら
どんなに優しくなれるでしょうか
いつか落ちてしまうとしても
落ちてしまえば
帰らない
片隅で理解している僕達ですから
次に咲く花を見てみせます
走れ走れ
ここは短い
零れ落ちていく前に
昨日までの花びらが
はらはらと零れていきます
落ちてしまえば
沈黙です
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