帰る場所を私は持たない/umineko
 
帰る場所を私は持たない
たとえば

ふるさとは
ほろびるだけで
東京は
ただ試してる

ことば
あるいは
ことば以外で
わかったようなつもりになって

帰る場所を私は持たない
すなわち
誰も私に戻らない

私はそれを憎んではいない
なぜなら
誰かを受け入れる
そんな力を持たないからだ

私は
親から授かった
この肉体をじっと見る

それは
廃墟に残された
衛兵ロボットの
哀しみに似て

存在することが
目的となり
あるいは
うたうことだけが

私のために
うたえ

うたうよ
 
 


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