赤い河/yukimura
 
赤い河の流れに身を任せる
一通の船に乗る 目の前には夕闇
視界の先を今なら明確にimageできる
失くしたのは片肺…
失くしたのは最愛…

美しい音色に委ねる我が身
力の源が言葉であれば
この河の秩序を容易く壊す
原動機の音は何であろうか

心はまだあの日々を覚えている
一通の手紙で隔たれた
逞しく力強い瞬間を
滑らかで濃密な
この河のような永遠を
例えもう それが
現在という窮屈な部屋に区分されなくても

きっと
忘れる事はない

赤く広がる真夏の午後を
僕は渡り終える
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