砂嵐/純太
ああ…また最近俺の毎日に
テレビで見るような
砂嵐が舞っているよその一粒一粒
の砂には内訳があるような無いような
底に穴が開いた靴を足で担ぎながら
砂浜を歩いたころの
気合いが欲しい
昨今はしっかりと描かれた地図模様の靴底も
世から絶えてきた
人の美醜に混沌を感じた自身にもう
叱咤はしないから
夢は何度も見れる大人になったが
砂嵐は理想の抜け殻が砕けた様か
どうでもいいけどどうでもよくない砂のようだから
真夜中にそんな砂嵐に
紛れさせた南アルプスの水よ
一生乾くな
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